タイムズカーレンタル　/　2017.4～　BMW・220i　グランツアラー　M　Sport　（FF/8AT）

BMW・X1、ランドローバー・レンジローバーイヴォークに引き続き、輸入車第3弾。
惜しくもBMWスペシャルウィークキャンペーン期間中に試乗することはできませんでしたが、タイムズクラブ会員の特典である前夜サービスタイムを利用し、8,000円強で27時間レンタルすることができました。
こちらの車両もタイムズモビリティネットワークスとBMWジャパンの提携によって配備されたものです。
2014年にBMWブランド初のFFモデルとして登場した2シリーズアクティブツアラー（F45）をベースに、全長・全高・ホイールベースを拡大し3列シート7人乗りとなったBMWのミニバン（BMWはMPVと謳っていますが）、2シリーズグランツアラー（F46）です。

ボディカラーはブラックサファイア

先月末にLCI（ライフ・サイクル・インパルス＝改良新型）となった2シリーズグランツアラーですが、残念ながら配備されているのは前期型。

LCIの主な変更点は、前後デザインの意匠変更とDCTの採用です。

直列3気筒DOHCターボエンジンを搭載する218i、直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジンを搭載する218d、直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載する220iの3種類のパワートレインがラインナップされており、218dのみ4WDのxDriveの設定があります。

またそれぞれに、標準モデル、スポーツ、ラグジュアリー、Mスポーツと4つのモデルを展開。

今回、トップグレードに位置する220iグランツアラーMスポーツが配備されており、先日のX1に引き続き、レンタカーとは思えないほど良いグレードの車両に巡り合うことができてとても驚きました。

2シリーズグランツアラーとはいえ、Mスポーツのレンタカーを借りられる機会はなかなかありません。

BMW 2シリーズアクティブツアラー/グランツアラー改良新型を発売　374万円より | レスポンス（Response.jp）

横置きされるB48A20Aエンジンは、先日試乗したX1 xDrive20iとCPUも含めて全く同じもの。

カタログによると0-100km/h加速はX1より0.2秒遅い7.6秒です。

X1より僅かに軽いボディながら加速性能が劣るのは駆動方式の違いでしょうか。

レッドゾーンまでスムーズに回るエンジンフィールがとても気持ち良いです。

4気筒らしさは拭えませんが、なかなか力強そうな野太いエンジンサウンドを奏でます。

変速スピードも申し分無く、マニュアルモードでのシフトダウンのダイレクト感もGOOD。

80km/h前後でトップの8速に入るクロス気味なギア比が採用されています。

ワインディング走行中にマニュアルモードで3速までシフトダウンした後にDレンジへ戻すと、3速から7速へと一気にジャンプアップしたシーンには驚きました。

こういう制御をするATは珍しいですね。

BMW・B48エンジン - Wikipedia

Mスポーツ・サスペンションに、225/45R18タイヤとランフラットタイヤの組み合わせは、とてもMPVとは思えないほど硬派な走りを演出してくれます。

果たしてファミリーユースにMスポーツは必要なのか、という疑問も浮かびますが考えるだけ野暮なことでしょう。

橋のジョイント部を越えるだけでボディ全体に大きなショックが加わるほど固められた足回りは、少ないロールで路面をしっかりつかみコーナーを抜けて行きます。

ミシュラン・プライマシー3はロードノイズこそ大きいものの限界が高く、ワインディングでペースを上げても恐怖を感じる場面はありませんでした。

またブレーキの制動力が高くタッチが重めのスポーツテイストで、安心感を得られます。

今回試乗した車両がまだ下ろしたてだったためか、ハードブレーキング時（ABSが効くほどではない）に左にハンドルを持っていかれる形でブレるのが気になりました。

あと私の運転が下手なのか、カックンブレーキになりやすいのも難点。

この車両はMスポーツということで、マルチ・ファンクションMスポーツ・レザー・ステアリング・ホイール（シフト・パドル付）やアルミニウム・ヘキサゴン・インテリア・トリムなどが装備され、スポーティーさが演出されています。

スポークが細身のMスポハンドルはずっと憧れでもあったので、こうして実際にそのハンドルを自ら握ってドライブできたのは感慨深いものがあります。

先日のX1に比べ先発なため、iDriveやiDriveコントローラーの仕様が若干異なっていました。

また今回初めてiDriveの音声入力機能を使用してみましたが、案外使えてびっくり。侮っていました。

BMW車に乗るのはこの車両で2回目ですが、目的地の設定やメディアの選択などはスムーズに操作できるように。

基本的に国産車や国産ナビはメディアというくくりの中にラジオというメニューがありますが、欧州車は全般的にメディアとラジオで全く別のくくりになっているそうな。

現にBMWのiDriveコントローラーも、「MEDIA」ボタンと「RADIO」ボタンがありますし、iDrive内のカテゴリーも分けられています。

些細な文化の違いなのでしょうか。

Mスポーツ専用装備のパーフォレーテッド・ダコタ・レザーのスポーツ・シートは、サイサポート付き。

しかもサイサポートはナビシートにも装備されています。

一応スポーツシートという体ではありますが、サイドサポートはそこまでせり上がっているわけではなく、どちらかというと開放感あり。

試乗した日が38℃をマークする記録的酷暑であったためか、レザーシートは少し蒸れて暑く感じる場面がありました。

エアコンの効きが悪く感じたのもこの暑さのせいでしょうか。

X1に引き続き、タイムズカーレンタルの恩恵を存分に受けて、2シリーズグランツアラーも試乗する機会に恵まれました。
X1とプラットフォームを共通としていることもあって、つい1週間前にX1を試乗したばかりの私としてはとても親しみやすく感じました。
SUVとミニバン（BMW風にいえばSAVとMPV）という差異はあるものの、両車ともどこか似通っている雰囲気を醸し出しています。
220iはMスポーツということで純粋な比較はできませんが、私はこの車の方が「走る歓び」を強く感じられました。
グランツアラー登場当時、日本のBMWディーラーの駐車場には国産ミニバンが並んだとか…。
正直なところ3列目シートは緊急用といった内容で日常使いはとてもできないと思いますが、アクティブツアラー比で210mm長い全長によって実現された広い室内空間と荷室は、ファミリーユースにも適していると言えるでしょう。
街行くグランツアラーを見ていると、運転しているのは若いお母さん、という光景が多く感じられます。
シートの調整範囲が広く座面を高く上げてしまえば、ノアやセレナのようなアイポイントで運転することも可能で、取り回しの良さも高水準。
気持ちよく回るエンジンと安心してコーナーリングができる足回りを持ったミニバンを求めている人にはドンピシャかもしれません。

久留米市を起点に3号線を使って筑紫野市へ。200号線経由で飯塚市まで行き201号線バイパス、県道58号線を通り豊前市へ。10号線、211号線を使ってうきは市へ周り、210号線で久留米市へ戻って来ました。
総走行距離は228km（画像のTRIPメーターはリセットし忘れていたため、タイムズカーレンタルの貸渡票による）で、19.24L給油したため、満タン法による燃費は11.85km/lをマーク。
前述の通り試乗日は記録的な暑さで、エアコンは常に強めの風量で使っていたものの12km/lに迫る燃費を叩き出したのには驚きました。
今回試乗したルートは比較的交通量が少なかったり、郊外のバイパス道路を多く走ったりしたのが良い影響を与えたのかもしれません。
とはいえハイオク指定ですので、燃料費は国産ミニバンのようにはいきませんね…。

試乗車データ

BMW・220i グランツアラー M Sport （DBA-2D20）
ボディサイズ：全長*全幅*全高＝4,570*1,800*1,640mm
ホイールベース：2,780mm
車両重量：1,630kg
駆動方式：FF
エンジン型式：B48A20A
エンジン種類：直列4気筒DOHCガソリンターボ
総排気量：1,998cc
トランスミッション：電子油圧制御式8速AT
最高出力：192ps/5,000rpm
最大トルク：28.6kgm/1,250～4,600rpm
タイヤ：225/45R18 91W（MHプライマシー3）
サスペンション：シングルジョイントスプリングストラット/マルチリンク
ブレーキ：ベンチレーテッドディスク/ディスク
JC08モード燃費：15.8km/l
最小回転半径：5.7m
価格：\4,940,000-

年式：平成30年7月登録
出発時ODO：446km
走行状況：市街地：高速道路：ワインディング＝7：0：3
走行距離：228km
使用燃料：19.24L（無鉛プレミアムガソリン）
燃費：11.85km/l（満タン法）、9.9km/l（車載燃費計）

レンタル料：\8,080-（免責補償料込）
燃料費：\3,117-
高速代：\0-

参考文献
・DR_10566864-F45F46LCI-PSL44-AA_JAP　（Webカタログ）
・BMW・2シリーズ - Wikipedia
・２シリーズ２２０ｉグランツアラーＭスポーツ（2017年4月）のカタログ情報（10109376）｜中古車の情報なら【グーネット】
・ＢＭＷ２シリーズグランツアラー試乗～ファミリーにも駆け抜ける歓びを〔１〕：時事ドットコム