最終更新日:平成31年1月21日
主要諸元
型式:DBA-GK3
トランスミッション:無段変速オートマチック(トルクコンバーター付)
全長:3,990mm
全幅:1,695mm
全高:1,525mm
ホイールベース:2,530mm
車両重量:1,030kg
エンジン型式:L13B
エンジン種類:水冷直列4気筒DOHC i-VTEC チェーン駆動 吸気2 排気2
総排気量:1,317cc
圧縮比:13.5
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量:40L
最高出力:100PS/6,000rpm
最大トルク:12.1kgf・m/5,000rpm
JC08モード燃費:24.6km/l
最小回転半径:4.7m
装着タイヤ:185/60R15 84H ヨコハマブルーアースE50
ホイール:15インチスチールホイール(樹脂フルキャップ)
サスペンション:マクファーソン式/車軸式
ブレーキ:油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式リーディングトレーリング
メーカー希望小売価格:1,428,840-
かつて
トヨタ・ヴィッツ、日産・マーチと共に「日本のコンパクトカー御三家」と呼ばれ、大ヒットした初代から数えて3代目となるGKフィットも、登場から4年を前にマイナーチェンジが行われました。
新たに採用された大きな開口部を持つバンパーは、シャープで、ワイド&ローなスタイルを演出しており、私個人的にはずんぐりした前期型よりもかなり好印象です。
大きめのエンブレムもいやらしくなく、かなり綺麗にまとまっています。
このエンブレムの奥に、Honda SENSINGに用いられているレーダーが組み込まれているようです。
リアバンパーもマイナーチェンジに合わせて意匠が変更されています。
日産・ノート(E12)がマイナーチェンジを行った際にも似たような記述をしていますが、ベースグレードでありながらも凝った造形のバンパーを積極的に採用する近年の流れは非常に良いなと思っています。
反面、部品代の高騰等によるデメリットもあるのでしょうが…。
今回は、平成30年3月登録の1,300cc自然吸気ガソリンエンジンを搭載したFF、CVTの13G・Fが配車されました。
最もベーシックなグレードながら、後期型からはフルオートエアコンが標準装備されるなど、十分購入する際には候補となり得るグレードです。
またこの車には、メーカーオプションの先進安全運転支援システム「Honda SENSING」が装備されており、それに伴ってタイヤ&ホイールも一つ上のグレードにあたる13G・L Honda SENSINGと同じ15インチがおごられています。
出発時の走行距離は6,492kmと、ちょうど慣らしも済んで、良い塩梅の頃かと思われます。
ボディカラーは後期型から追加されたルナシルバー・メタリック。
ほんの微かに青みがかかったような明るめのシルバーがよく似合っていました。
気温20~29℃の中、大人1~2名乗車で470kmほど走行しました。
エンジン・トランスミッション
搭載されるエンジンはL13B型と呼ばれる1.3L自然吸気エンジン。
アトキンソンサイクルを採用しており、圧縮比は13.5とかなり高めです。
またCVTを搭載するモデルにはアイドリングストップ装置も装備されています。
チリチリとした直噴エンジンのようなアイドリングサウンドと振動がやや気になりましたが、走行中はヒュイーンといったエンジンサウンドなのかミッションノイズなのか分からない不思議な音。
どちらかというと静かな部類です。
アイドリングストップは、ブレーキペダルの踏力によって自分でエンジンを停止するか否かを選択することができるタイプ。
右折待ちや駐車時に、無駄なアイドリングストップを避けられてストレスになりません。
アイドリングストップからのエンジンの再始動の速度や振動は、並といった印象です。
13G・FにはCVTと5MTが用意されています。この車はCVTです。
シフトセレクターの周りにはピアノブラックのパネルやシルバー加飾が施されていますが、ストレートシフトはどうしても安っぽく見えてしまいます。
シフトノブは握りやすく、操作感も自然でした。
シフトセレクター奥にはカップホルダーが2つと、スマートフォンなどを置いておける小物入れがあります。
フィット用に開発されたトルクコンバーター付CVTのおかげか、特にCVTの苦手とする渋滞時等の、ノロノロと減速と再加速を繰り返す場面でも、全くギクシャクすることなく走行できるのは驚きました。
一般的なCVTでは発進クラッチを用いているためにショックが生じることがあるようですが、フィットのCVTではトルクコンバーターを使用しているのだそうです。
足回り・剛性感
タイヤサイズは前後185/60R15 84H。
新車装着タイヤはヨコハマブルーアースE50でした。
既述の通り、通常の13G・Fでは一回り小さい175/70R14が装備されますが、この車はメーカーオプションのHonda SENSINGが装備されているため、アップグレードされています。
Honda SENSINGを装備することによる重量増加への対応でしょうか。
そもそもレンタカーは、タイヤやホイールは洗わないものなんですかね。
フロントストラット、リア車軸式(トーションビーム)の一般的なサスペンション構成。
前期型の乗り心地は酷評される事が多かったようですが、マイナーチェンジで改善されたのか、たまたま当たりの車を引いたのか、間違いなくクラストップレベルの乗り心地です。非常に良い。
マイナーチェンジによって、ボディの剛性アップとサスペンションの減衰比の見直しが行われており、それがかなり良い方向へと導いているのかもしれません。
マツダ・デミオ(DJ3FS)と同等かそれ以上の高い接地感と、トヨタ・ルーミー(M900A)を凌駕する直進安定性を持っていながらにして、突き上げ感が少なくフラットな乗り心地。まさにBセグメントのベンチマーク、日本のフォルクスワーゲン・ポロと言っても過言ではない高いポテンシャルを持っているように感じます。
狙ったラインを修正舵なしでスムースにトレースできるだけの足回りを持っているものの、13G・Fという走りを意識する必要のないグレードゆえか、ハンドルがかなり軽い点だけは残念でした。
この辺り13G・SやRSでは、どのような味付けになっているのか気になります。
インテリア・コックピット
13G・Fの内装色はブラック。
フロントウィンドウ上部がブルーになっているのも、高級車っぽくて良いですね。
思い起こせば、
ホンダ・フリード(GB5)も同じようにブルーになっていました。
面白いなと思った静電気式のフルオートエアコン。
エンジンをかけることによって、真っ黒のパネルに文字やスイッチが表示されます。
賛否両論ある静電気式ですが、フィットの場合はボタンの配置が非常にシンプルかつ表示も大きいので、運転中でも操作に戸惑うことはありませんでした。
運転席右側のカップホルダーは、
トヨタ・ルーミー(M900A)のような格納式。
なぜか助手席側には設定されていません。
ハンドル右側にはHonda SENSINGの衝突軽減ブレーキなどのOFFスイッチが並んでいます。
ちなみにECONのオンオフスイッチもこちら。
ウレタン3本スポークステアリングは可もなく不可もなくといった感じ。
既述の通り非常にハンドルは軽く、駐車時の切り返しや狭い路地でのすれ違いなども楽にこなせます。
Honda SENSINGのパッケージの中にACCが含まれているため、ハンドル右側にスイッチが装備されています。
パーキングブレーキはサイドブレーキ式となっているためか、左足のスペースは広々。
幅広のフットレストがあります。
ペダルフィールもハンドルと同じく非常に軽いです。
メインターゲットとして女性を意識しているからでしょうか。
マツダ・デミオ(DJ3FS)を彷彿とさせる中央に鎮座するスピードメーターと、その左右に位置する2つの液晶ディスプレイから構成されるメーターパネル。
右側の液晶ディスプレイには平均燃費や平均車速、ACCの情報を表示させることができます。
メーターパネル中央スピードメーターの左右の2つの青いライトは、エコ走行をするとグリーンへと変化し、逐一アクセルワークを評価してくれます。
フロントシートは、運転席・助手席共に幅広な造りとなっており、ゆったりと乗ることができます。
また、運転席6wayシートと、チルト・テレスコピックステアリングが13G・Fでも標準装備されている点も好印象。
ドアの内張りにもシルバー加飾が施されており、抜かりがないなという印象です。
運転席にあるウィンドウスイッチのイルミネーションが、AUTO表記のある運転席側のウィンドウのボタンしか点灯しないのが地味に不便でした。
身長167cmの私が、やや緩めにドライビングポジションを取った場合の右前方視界のイメージです。
ベルトラインが低く、真横やサイドミラーの視認性は高いのですが、太く傾斜の大きいAピラーの影響で斜め右前方は死角となってしまいます。
大きく回り込んだ右カーブなどは注意が必要です。
リアシート・ラゲッジルーム
ホンダが特許を持つ、センタータンクレイアウトの恩恵を存分に受けているフィットは、リアシート、ラゲッジルーム共にクラストップレベルの広さを持っています。
身長167cmの私がゆったりめにドライビングポジションを取った状態で、足元にはこれだけの余裕があります。
フロントシート下には障害物もなく、足を入れることも可能です。
今回、走行中にリアシートに座ることはできませんでしたが、やや高めのポジションがとられており、サイドウィンドウも大きいことも相まって見晴らしが良く感じました。
リアドア左右に2つのボトルホルダーと、センターコンソール後部寄りに1つカップホルダーが装備されており、5名乗車を前提とした設計になっています。
リアシートは左右分割式で座面を跳ね上げることができ、最大で高さ128cmの荷物を積むことができます。
この機構は珍しいですよね。
ラゲッジルームもこのクラスでは日産・ノート(E12)と共に群を抜いた広さを持っています。
また、低床で開口部が大きいため、荷物の出し入れも容易に行えます。
もちろん6:4分割でリアシートをたたむこともでき、大きなものの積載も可能です。
自転車を立てたまま積むこともできるそうな。
Honda SENSING
マイナーチェンジにより、安全運転支援システム「Honda SENSING」が一部グレードに標準装備、メーカーオプション設定されるようになりました。
フィットに搭載されるHonda SENSINGのメニューは以下の8つ。
・衝突軽減ブレーキ(CMBS)
・誤発進抑制機能
・歩行者事故低減ステアリング
・路外逸脱抑制機能
・アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)
・車線維持支援システム(LKAS)
・先行車発進お知らせ機能
・標識認識機能
ミリ波レーダーと単眼カメラによって、状況を認識し、場合によってはブレーキやステアリング操作へ介入します。
ベースグレードでもメーカーオプションでACCが装備できるのは嬉しいですよね。
残念ながら作動速度が30km/h以上の為、主に高速道路や自動車専用道路でしか使えなさそうですが、やはりあると便利。
ワインディングロード等で、直角に近いコーナー手前などでガードレールが近づくにつれて、CMBSの警告表示がメーター内に出たり警告音が鳴ったりするのは気になりました。
標識認識機能は、夜間は結構見落としが多いようです。
総評
一般道7、高速道路1、ワインディングロード2の割合で477.3km走りました。
A/Cは全行程の8割ほど、設定温度24~26℃でフルオートで使用しました。
477.3km走行時の車載の平均燃費計の表示は22.1km/l。ガソリン残量はちょうど半分を指していましす。
満タン法では20.23km/でした。
特に燃費を意識した運転をしたわけでもなく、JC08モード燃費の8割以上をマークできるのは立派ですね。
満タン給油後に表示された航続可能距離は665kmでした。
記事を作成する順番が前後してしまいましたが、前回のトヨタ・ルーミー(M900A)以降、ランドローバー・レンジローバーイヴォーク(LV2NB)、マツダ・ロードスター(ND5RC)と高価な車やスポーツカーを立て続けに乗った後にこの車だった為、正直期待値は低めでした。
しかし、記事中何度も同じような記述をしていますが、本当に国産Bセグメントのベンチマークであると言えるだけのポテンシャルを持った車だと思います。
私が今まで乗った現行の国産Bセグメントの中で、一番オススメできる車です。
フィットCMソング
Fire Bird - MIYAVI
参考文献
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