タイムズカーシェア / 2014.11~ スバル・インプレッサSPORT 1.6i (FF/CVT)

1992年に、スバルの世界戦略車として登場したインプレッサ。スポーツモデルのWRX STIはあまりにも有名ですね。
水平対向エンジンや四輪駆動を採用した独特のパッケージングは、WRCをはじめ、多くのモータースポーツでも活躍しています。

タイムズカーシェアでは、先代GP系インプレッサスポーツが展開されているのですが、年式や走行距離等の問題から台数を減らしつつあり、乗れなくなってしまう前に乗っておこう、ということで今回試乗する運びとなりました。
現行が登場してから既に3年が経っており、先代となればそれなりに古いクルマというイメージだったのですが、スバル車初体験の私としてはとても刺激的な一台でした。

現行でいえば、このインプレッサスポーツはトヨタ・カローラスポーツやマツダ・3などが直接のライバルとなるでしょう。国内でも過熱しているCセグメントハッチバック市場ですが、インプレッサスポーツは一際異質な存在であると感じました。

今回試乗したインプレッサスポーツは、マイナーチェンジ後のいわゆるD型と呼ばれているモデルで、1,600cc・FF・CVTのエントリーグレード、1.6iです。
初年度登録が平成28年の3月で、既に80,000km超走行している車両のため、ややくたびれている部分もありました。
もともとは北九州市小倉北区に配備されていたようですが、現在は筑紫野市に移動されています。
搭載されるエンジンは新世代ボクサーエンジンFB16型。1,600ccと2,000ccそれぞれがラインナップされていますが、今回試乗したインプレッサスポーツは1,600ccのFB16型エンジン搭載車です。
先々代までは、スバルの水平対向エンジンの代名詞的存在でもあるEJ型エンジンが採用されていたようですが、先代からは一新されEJ型エンジン搭載モデルは存在しません。

新世代ボクサーエンジンFB16は、先々代2,000ccと遜色ない加速を実現しているとされていますが、確かに発進加速の良さには驚かされました。
僅かにアクセルペダルを踏み込むだけで静かに加速していく様はジェントルです。
リニアトロニックと呼ばれるスバルのCVTの制御も相まってか、比較的低い回転数を維持しつつも軽やかに加速して行きます。
回転数を上げた時に車内に入ってくるエンジンサウンドも心地良いです。
通常走行時はエンジンサウンドはほとんど聞こえない静粛性の高さと、振動の少ない水平対向エンジンの恩恵で快適な車内空間が実現されています。

ただ一点、エンジン始動時に車体全体が大きく横揺れするのが気になりました。
水平対向エンジンゆえの動きなのか、年式や走行距離から来るエンジンマウントやブッシュ類の劣化が原因なのかは分かりません。
今回試乗した車両には搭載されていませんでしたが、他のグレードではアイドリングストップ機構が搭載されているものもあり、この横揺れがアイドリングストップの度に起こると思うと不快に感じる人は多いのではないかと思いました。
フロントストラット、リアダブルウィッシュボーンと四輪独立懸架のインプレッサスポーツ。今回試乗した車両は、195/65R15のダンロップエナセーブEC204を履いていました。
よくスバル車は足回りが硬いと聞きますが、私の想像以上で驚きました。
BMW・220i Mスポーツと比較しても、遜色ないレベルのスポーティーさがあると言っても大袈裟ではないと感じます。
至って普通のインプレッサスポーツ1.6iでこれほどまでならば、WRX STIは一体どれほどのものなのでしょうか。

駐車時には両手でしっかり回さないといけないほど重いハンドルや、ロールしていることを感じさせないほど高いロール剛性と相まって、ドライバーズシートに座りアクセルペダルを踏み込めば、気分はさながらスポーツカーです。
しかしこの重いハンドルは直進安定性の高いインプレッサスポーツには必要不可欠で、高速走行時の安心感・安定性はクラストップと言えそうです。
タイヤによるロードノイズは気になりますが、静粛性も申し分なく、いわばツアラー的側面も持ち合わせているように感じました。
インテリアは、最も安いグレードということもあり、プラスチッキーな印象です。
サイドブレーキ式のパーキングブレーキや、廉価グレードながらもタコメーターが標準装備されている辺りなどは、スバルらしさを感じました。

また、廉価グレードながらシートリフターやチルト・テレスコピックステアリングが標準装備されているのも嬉しいところ。
特にテレスコピックの可動域がかなり広く、ドライビングポジションの自由度は高いです。
近年のスバルのテレビCMでは、女性が運転しているシーンが多く、様々なユーザーを想定した車作りがなされていることを実感しました。

シートリフターを目一杯下げても比較的アイポイントは高めですが、ダッシュボードやサイドウィンドウも高めに設定されているゆえか、程よい包み込まれ感が私は心地良かったです。
敬遠されやすい3ナンバーボディかつ、ドライバーズシートからボンネットは見えないのですが、なぜかとても車両感覚がつかみやすく驚きました。
今回は短時間の試乗だったのですが、不安を感じる場面はありませんでした。
車内に関してひとつ言うならば、身長167cmの痩せ型の私でさえ運転席足元のスペースが窮屈に感じました。
アクセルペダル側面が欧州車並みに迫り出して来ています。
またフッドレストに左足を置く場合は、センターコンソール下部の盛り上がりが邪魔になりますし、立膝のような姿勢を取る場合はサイドブレーキが邪魔になります。
ドライビングポジションに依存する部分もあるかとは思いますが、国産車でここまで足元が窮屈な車は初めてかもしれません。

タイヤとの相性等もあるかとは思いますが、ザラザラした舗装の路面を走行時に、シート座面やペダルが振動するのもやや気になりました。
今回は、先代に乗るというある意味興味深い試乗となりました。
5年前の車、設計はそれ以上前の車ではありますが、私にとっての初めてのスバル車はとても刺激的でした。
今回試乗した車には、アイサイトは搭載されていませんでしたが、車としての基本「走る・止まる・曲がる」が高い次元で実現されており、本来車とはこういうものなのではないのか、と考えさせられてしまうほどでした。
ぜひアイサイト搭載の現行に試乗したいですね。


試乗車データ
スバル・インプレッサSPORT 1.6i(DBA-GP2)
ボディサイズ:全長*全幅*全高=4,420*1,740*1,465mm
ホイールベース:2,645mm
車両重量:1,250kg
車両総重量:--
駆動方式:FF
エンジン型式:FB16
エンジン種類:水平対向4気筒DOHC16バルブ
総排気量:1,599cc
トランスミッション:CVT(無段変速車)
最高出力:115ps/5,600rpm
最大トルク:15.1kgf・m/4,000rpm
燃料タンク容量:55L
タイヤ:195/65R15 91H(DL・エナセーブEC204)
サスペンション:ストラット式独立懸架/ダブルウィッシュボーン式独立懸架
ブレーキ:ベンチレーテッドディスク/ディスク
JC08モード燃費:16.4km/l
最小回転半径:5.3m
価格:\1,598,400-
試乗車:--
オプション:--
参照:インプレッサスポーツ 1.6i(2014年11月) のカタログ情報(10094309)|中古車の情報なら【グーネット】

年式:平成28年3月登録
出発時ODO:80,712km
道路比率:市街地3、郊外7、高速0、山岳路0
走行距離:49km
使用燃料:--
燃費:--km/l(満タン法)、15.0km/l(車載燃費計)

レンタル料:\2,970-(免責補償料込)
燃料費:--
高速代:--

試乗日:令和元年10月30日15:30~17:30


ボディカラーはディープシーブルーパール



















ラゲッジスペース



















後席は6:4分割可倒



















後席アームレスト(カップホルダー付)標準装備



















後席レッグスペースは広々



















オートパワーウィンドウ(運転席のみ)















































































LEDルームライト




















0 件のコメント :

コメントを投稿