型式:DBA-GB5
トランスミッション:トルクコンバーター付き無段変速オートマチック
全長:4,265mm
全幅:1,695mm
全高:1,710mm
ホイールベース:2,740mm
車両重量:1,360kg
エンジン型式:L15B
エンジン種類:水冷直列4気筒横置DOHC
総排気量:1,496cc
圧縮比:11.5
燃料タンク容量:36L
最高出力:131PS/6,600rpm
最大トルク:15.8kgf・m/4,600rpm
JC08モード燃費:19.0km/l
最小回転半径:5.2m
タイヤ:185/65R15 88S
ブレーキ:油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式リーディング・トレーリング
サスペンション:マクファーソンストラット/車軸式(トーションビーム)
メーカー希望小売価格:2,121,600-
昨年9月にフルモデルチェンジを受けたばかりの2代目フリード。
ちょうど登場から1年にあたる今年9月に、久留米市内のタイムズステーションに配備され、私もこの度乗ってみました。
配備されたグレードは、ガソリン・7人乗り・FFの最上級グレードにあたるGホンダセンシング。
もちろんこのモデルのフリードはハイブリッドが目玉かとは思いますが、TCPでガソリンモデルとはいえトップグレードが乗れるとは嬉しい誤算です。
エンジンはフィットと同じL15B。i-VTECの文字が光ります。
今回は1人乗車のみでの走行となりましたが、ECONをオンにした状態でも非力さを感じる場面はありませんでした。
CVTの制御も非常に良く、違和感や不快感はありませんでした。
唯一、エンジンサウンドが残念。
アイドリング時はガラガラ音、ゼロ発進で少し回転が上がる時には日産の3気筒のような音がします。
巡行回転域ではあまり気にならないんですけどね。
タイヤサイズは全グレード同じなんだとか。
最小回転半径が小さく小回りが利くのがウリなそうですが、あまり恩恵は感じられませんでした。
発生条件は詳しくは分かりませんが、駐車時等にメーター内ディスプレイでハンドルの切れ角が確認できるのは地味に便利な機能です。
足回りは意外にも硬めな味付けになっているようで、舗装の良い路面では非常に快適ですが、バンピーな路面ではギャップを拾いやすく突き上げ感が気になる場面もありました。
フリードの直接的なライバルといえばやはりトヨタ・シエンタ(NHP170G)でしょう。
全長、全幅は大差ありませんが、全高が一回りほどフリードの方が大きいようです。
今回乗ったグレードはGホンダセンシングということで両側電動スライドドアが標準装備となっています。
トヨタやスズキのスライドドアは開閉時に「ピーピッピッピッピー」と警告音がなりますが、フリードは無音でした。
スライドドアの開閉はスムーズかつ丁寧な印象でした。
2列目シートはワンタッチでこのように畳むことでき、3列目シートへのアクセスしやすさが際立ちます。
ちなみに3列目は一応座ってみましたが、あくまで”最大で”7人乗れるというコンセプトと捉えたほうが良さそうです。
この点はシエンタも同じかと思われます。
同じような機構はシエンタにも採用されていました。
フリードのウリのひとつにリアハッチの開口部の大きさが挙げられます。
もともと低重心が得意なホンダゆえに、フリードでも遺憾なく発揮されています。
5人乗りモデルのフリード+ではよりリアハッチゲートが大きくなっているようです。
6/7人乗りモデルでも3列目を収納してラゲッジルームとすることができます。
トヨタ・ノア/ヴォクシー(70系)も似たような機構を持っていたと記憶していますが、フリードの場合はワンタッチとはいかず多少力が必要なため、荷物を持ちながら片手でシートを収納、といった動作は厳しいかもしれません。
ダッシュボードは木目調パネルやプラスチックパネルなど異なる素材が採用されており、高級感があります。
オレンジ色のスティッチなどを採用するシエンタとは対象的なデザインですね。
シエンタと比べるとダッシュボードやサイドウインドウは低く屋根は高いため、よりミニバンチックな印象です。
それゆえかボディサイズはほぼ変わらないシエンタよりも車両感覚が掴みやすく、取り回しのしやすさはフリードの方が圧倒的に上です。
最近の車ではごく当たり前なのかもしれませんが、圧巻の収納スペースです。
運転席上部のメーター手前もフタ付きの収納となっていました。
センターコンソールからにょきっと生えてくるテーブルとドリンクホルダーはN-WGN(JH1)にもありましたね。
最近のホンダ車のトレンドなのでしょうか。
ファストフードを置いておくのにちょうど良いそうな。
上級グレードゆえにスイッチ類が充実(?)しています。
レンタカー・カーシェアでは基本的に廉価グレードが多いため見慣れない光景です。
ハンドルは車格相応のギア比で非常に運転が楽でした。
シエンタは少し重めのセッティングとなっていたように記憶しており、ワンランク上のクラスの乗り味を意識しているのではないのかなと。
些細な事ですが、ワンタッチウインカー(スリーターンシグナル)はあると便利です。
ホンダ車はあまり乗ったことが無いのですが、ウインカーの音やリバースレンジに入れた時の音が特徴的ですね。
特にこのフリードのウインカーの電子音はかつてのウインカーのリレー音に近く心地良いものでした(?)。
ホンダセンシング装備車のため、車線逸脱警報装置や衝突軽減ブレーキ等のスイッチもあります。
車線逸脱警報はトヨタのセーフティセンスCでも採用されており経験がありましたが、ホンダのホンダセンシングでは車線の中央を走れるようステアリングをアシストしてくれる機能までついているようで驚きました。
車にハンドルを操作されるというのは不思議な気分ですね。
車内を見渡せるミラー。正式な名前が分かりません、すみません;
こちらもノア/ヴォクシー(70系)で装備されているのを見たことがありますが、シエンタには無かったかと思われます。
お子さんを乗せる際などにはあると便利かもしれませんね。
今回エアコンは使用しなかったため、エアコンパネルの使用感は分かりません。
ホンダのCVTはDレンジとSレンジのみなんですね。
基本的に、ブレーキを踏むなどドライバーが減速する意思表示をしないとエンジンブレーキはあまりかからず、滑走していく制御になっているようでした。
ブレーキのタッチは非常にマイルドながらも制動力があり、運転しやすくかつ安全な印象を覚えました。
その点シエンタはブレーキが非常に癖があったため、フリードに軍配が上がります。
運転席ダッシュボード奥にセットされたメーターは視線移動が少ないのが利点なようですが、シートポジションとハンドルの位置によっては、ちょうどハンドルの上部とメーターの位置が重なり非常に見難い場合もあります。
私がベストポジションに合わせるとまさにその状態に陥ってしまいました。
114kmほど走行し、車の燃費計が指す燃費は17.0km/l。
フリードの燃費計はわりと上下が激しく、車通りと信号の少ない郊外では18.0km/l以上をマークし、勾配のきつい峠道では14.0km/lを下回る場面もありました。
1名乗車とはいえJC08モード燃費が19.0km/lでこの数字はなかなか立派なのではないでしょうか。
燃料タンク容量が小さいため、航続距離は良くて500kmくらいなのが玉に瑕かな?
期間は空いてしまいましたが、意図せずシエンタとフリードどちらも乗ることができたため、今回比較して乗ることができました。
一言で表すと、フリードは車格相応の挙動、シエンタはワンランク上の挙動を目指して作られているように私は感じます。
この場合車格相応であるフリードがチープであるという意味ではなく、フリードとシエンタ、似たような形でありながらコンセプトは意外にもかけ離れている、ということです。
より剛性感の高さを感じるシエンタは挙動もゆったりとしていてロールを感じさせにくい足回りの味付けになっていました。
対するフリードは決して剛性感が乏しいわけではなく、敢えて感じさせるようなことはせず、挙動はどちらかと言うとクイック傾向。全高の違いもありますが、ロール量は多めです。
これらも関係しているのかどうかは定かではありませんが、前述の通り、車両感覚の掴みやすさ運転しやすさ(楽さ)はフリードの方が高いと私個人的には感じました。
フリード、シエンタ共に街で見かける機会も多く、コンパクトミニバンと呼ばれるカテゴリがここ最近非常に人気が出てきているのは事実です。
なんとなくホンダだから、トヨタだから、という理由で選んでしまわずにどちらもきちんと試乗してみる必要があるなと思いました。
ターゲット層がフリード、シエンタ共に異なっているのではと思うほどにキャラクターの違う2台です。
私は生粋のトヨタ党ではありますが、私自身が運転しやすいと感じたのはフリードです。
~おまけ~
TCPナビが最近モデルチェンジしたようですが、動きがもっさりしていて使いづらく感じるのは私だけでしょうか…。
フリック入力ができるのには驚きましたが。
参考文献
・フリード|Honda
・ホンダ・フリード - Wikipedia
・トヨタ・シエンタ & ホンダ・フリード 試乗インプレッション 車両紹介編 - YouTube
的確に説明しています
返信削除お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。
削除お褒めの言葉、ありがとうございます。励みになります。
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