New Next Nippon Norimonoでお馴染みのホンダのNシリーズ第四弾として2013年に登場したN-WGN。
所用で車が必要となりタイムズカーレンタルで5日弱借り約650km走りました。
私自身、自分でハンドルを握って軽自動車で長距離を走るのが初めてだったため、必然的に比較対象がコンパクトカーになってしまいましたが、それらと比べても遜色ないくらい最近の軽自動車はクオリティが高いのだと実感させられました。
今回借りた車は、平成27年7月に追加された最廉価グレードのC。登録も平成27年7月となっており2年ほど前の車です。総走行距離は約25,000km。
最廉価グレードといっても、キーレスエントリーやフルオートエアコンは標準装備。運転をアシストしてくれるVSA(横滑り防止装置)やヒルスタートアシスト機能、さらにはワンタッチウインカー(スリーターンシグナル)までついて新車価格は109万円。
実質ライフの後継にあたるようですが、最近の軽自動車は侮れませんね。
同じNシリーズでもN-BOXより低く、N-ONEより高い全高を持つN-WGN。
ボディサイズが近いのはスズキ・ワゴンRやダイハツ・ムーヴでしょうか。
Cグレードのワントーンベージュ内装と相まって非常に車内は広い印象です。
最廉価グレードながらも、インパネには部分的にプラスチックのパネルが使用されており、安っぽさは感じられません。
シンプルなメーターは視野性は良いですが、上級グレードではタコメーターがある点を顧みると少々寂しい印象。
過去にワゴンR(MH21S)を運転した時にも感じたことですが、足元を中心にシートポジションを合わせるとハンドルとの距離が遠すぎて運転しづらく、逆にハンドルとの距離を基準にしてシートポジションを調整すると、足元が窮屈で運転しづらいという状況に陥ってしまいました。
これは軽自動車の宿命なのでしょうか。
ちなみにCグレードにはシートリフターが装備されていません。
コンパクトカーにも引けを取らない収納力はさすがです。
前席だけでドリンクホルダーはなんと5つ!コンビニでペットボトルのお茶を買って、スタバでフラペチーノを買ってもまだ余裕があります。
また、運転席足元にフットレストがあったり、運転席助手席共にサンバイザーに鏡がついていたりと、廉価グレードでは省かれがちな部分も装備されている点に驚きました。
最大で2名乗車だったため、後部座席は荷物置きとしてしか使用することはありませんでしたが、ミニバンクラスの足元の広さが確保されているのではないでしょうか。
また、こちらも廉価グレードでは省かれがちなシートポケットも、助手席側のみですが装備されており、かゆいところに手が届くといった感じです。
後部座席下にはアンダートレイが装備されており、今回は傘を2本収納していましたが、十分な収納力でした。
こちらも同じく今回は全くと言っていいほど使わなかった荷室ですが、後部座席をスライドさせることで広さを調整することが可能な仕組みになっていました。
さらに化粧板の奥にも収納スペースがあり、ボディサイズからは想像以上の収納力を誇っています。
エンジンはみんな大好きVTEC…ではなくS07Aと呼ばれる先発N-BOXやN-ONEと同じ3気筒。しかしN-WGNは後発な分、エンジンもしっかりと煮詰められ、さらに高圧縮比化し、より低燃費、高トルクを実現しているそう。
アイドリング時の3気筒特有の振動は大げさに表現するとトラックのようですが、意外にも普通に走行する分には静か。
よっぽどノート(E12)の方が耳障りです。(E12前期、E12後期)
走らないと言われることの多い660ccNAですが、やはりゼロ発進は苦手な模様。
普通車では考えられないくらいのアクセル開度でようやく流れに乗って加速できるかなという印象です。
しかし一度流れに乗ってしまえばあとはわりと非力さを感じることもなくスムーズに走行できました。
50km/h程度での街乗りは快適そのものです。
ただやはり高速道路での合流や短距離での追い越しなど、ここ一発での加速には弱く、アクセル開度8割から全開でもエンジンが唸るだけで加速してくれず、近所の買い物や子どもの送り迎えなど割り切った用途で使用するのが正解なのかなと思いました。
高速の合流は、まさに気分は140km/hクラスなのにメーター読み80km/h弱なんてことが多々…。
高速道路巡行中も、80~90km/hでトラックやバスに紛れて走行するのが、NAの軽自動車を乗る上で身の丈に合ったドライブだと思います。
Cグレードは14インチ鉄チンホイール。
車内空間だけでなく、ハンドリングもコンパクトカー顔負けのN-WGN。
意識して運転する必要がなく、直進安定性も高いため、意外にも長距離ドライブも苦になりませんでした。もう少しベストなドライビングポジションが取れればなお良いだけに残念。
気になったのはリアの突き上げ感。誇張してしまえばやや大きめのバンプでリアが吹っ飛びます。
ワゴンR(MH21S)も似たような乗り心地だったので、こちらも軽自動車の宿命ということでしょうか。
低速度域ではあまり感じられなかったので、やはり前述のように割り切った用途での使用だと気にならないかもしれません。
こちらもCグレードゆえかもしれませんが、ヘッドライトが暗い!
本当に電気ついてる?と疑ってしまうほどの暗さです。
日産のインテリジェントオートライトシステムのような、ワイパー使用時にヘッドライトが点灯するといったことは無いのですが、ワイパー使用時にRレンジへ入れると自動でリアウィンドウのワイパーが作動し、視界を確保してくれる点には驚きました。
Cピラーが非常に起きており、雨天時は自車の巻き上げた雨水がリアウィンドウに付着しやすいゆえの考慮かもしれません。
また、フロントワイパーのINTは非調整式ですが、なぜかリアワイパーにもINTが装備されていました。リアに間けつワイパーつけるくらいだったら、フロントの間けつを調整式にして欲しいと思いましたが、これもリアウィンドウが雨で見えにくくなることを踏まえた上での装備なのでしょうか。
カタログ燃費は29.4km/L(JC08)のN-WGN。
常にエアコンをフルオート状態かつ非力さゆえに結構乱暴にスロットルを開ける場面も多かったのですが、安定して車内の燃費計は20km/L以上をマーク。
458kmを走行し、ガソリン残量目盛りが残り2となったところで給油。燃費は満タン法で20.07km/L。
さらに190km走行後に給油し、再び満タン法計算で燃費は23.66km/Lをマーク。
後半は時間帯が遅く交通量が少ない上に信号停車も少なかったため、距離が伸びるのに比例する形で燃費計の数値も伸びていました。まだまだ伸びしろはありそう。
モータを持たない純粋なガソリンエンジンで、燃費を気にした走行でなくても、20km/Lをゆうに超えるポテンシャルを持っているのは圧巻ですね。
100万円でこのクオリティ、税金の安さ、燃費の良さ、部品の安さ。そりゃあ世の中軽自動車だらけになりますよね。納得です。
N-WGNのお陰で軽自動車に対するイメージがずいぶん変わりました。
限られた規格の中でメーカーがさまざまな知恵を絞って他車(他社)と差別化し、お金と時間をかけて作り上げられているのだと思いました。
N-WGNのターボモデルは某アフターパーツメーカーの計測によると吊るしの状態で70数馬力出ているとの情報もあり、機会があればぜひターボモデルも運転してみたいです。
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