カローラフィールダーより短いボディながら3列シートを備える小さなミニバンです。
現行型が2015年に登場して以来、爆発的人気でこのクラスの市場を席巻しています。
そんなシエンタが、新たに5人乗りグレード「ファンベース」を引っさげて今年9月11日にマイナーチェンジ。
ヘッドランプやフロントグリル等の意匠変更と共に、リヤシートリマインダーなる、後部座席への荷物の置き忘れをお知らせしてくれる機能等が追加されました。
マイナーチェンジによってフロントグリルがメッシュ化・メッキ加飾されたことにより、前期型より精悍さが増しました。
リアコンビネーションランプも変更されているようですが、依然としてハイブリッドグレードはクリアテールが採用されており、ギラギラした印象。
昨年の4月に試乗したシエンタと同じXグレード(ハイブリッド)に再び試乗しました。
前期型ではハイブリッドXというグレード名でしたが、後期型はハイブリッド、ガソリン、どちらもXだけの表記に変わっています。
今回は、高速道路での試乗がメインとなってしまったため、ハイブリッドの恩恵をあまり受けられない結果となってしまいました。
その点ご了承の上、お読み頂けると幸いです。
搭載されるパワーユニットは前期型から変更はありません。
わずかにカタログ燃費は伸びているようです。
前期型を試乗した際はフル乗車での走行がメインと、とても過酷な環境下でのインプレッションとなってしまいエンジンの非力さがとにかく目立つ結果となりました。
今回は3名乗車での走行となったものの、目くじらを立てるほどではありませんが、やはりもう少し余裕が欲しいなという感想に変わりありません。
ガソリン車ではタコメーターの位置にハイブリッドシステムインジケーター(エコドライブモニター)が装備されていますが、PWRゾーンに針が入らないような運転を心がけていると信号停車からの発進など前車と大きく離されてしまうことがしばしば。
車重や最大で7人乗れることを考慮すると1,800ccは欲しいところです。
エンジンはお馴染み1NZ。
モーター走行からのエンジン始動時の音が大きいのはもちろん健在で、全然上まで回らず回したとしてもただ「うおおおん」と唸るだけのトヨタが誇る耐久性・実用性重視のエンジンです。
総行程150kmほどのうち8割を高速道路をやや速めのペースで走行したこともあり、返却前のマルチインフォメーションディスプレイに表示された平均燃費は18.4km/lでした。
(全行程でエコモードはオフにしています。)
プラットフォームはTNGAよりも以前の世代のものを使われており、リアサスペンションもトーションビームにも関わらず、乗り心地はかなり高い次元です。
最近立て続けに軽自動車ばかり乗っているせいで正しい判断ができていないのかな、とも思いましたが、良い部類であることは間違いありません。
2列目3列目は残念ながら座ることはできませんでしたが、運転席に限っては、段差を斜めに乗り越える際など縦横に揺さぶられるリアトーションビーム小型車特有の嫌な動きは無く、ジョイント部等でのバタバタした挙動もありませんでした。
単にスペース上の問題なのか、乗り心地に貢献しているのか、ラゲッジルーム下にバッテリーがありました。
なかなか珍しい配置だと思いませんか。
ホイールキャップの意匠も変更されています。
よく見るとなかなか凝った造形です。
新車装着タイヤはトーヨータイヤのナノエナジーJ63という銘柄。
このタイヤ、ロードノイズが少ない印象を受けました。
車自体の静粛性の高さも相まって、とても静かでした。
前期型で一番気になったブレーキのタッチのフィーリングは残念ながら改善されておらず。
同じパワーユニットを持つアクアではマイナーチェンジの度に改善が図られているのか、後期型では回生ブレーキであることを忘れてしまうほど自然なフィーリングになっているだけに、残念です。
ただ、フィットハイブリッドほど酷くはないとはいえます。
内装色はブラック。
どうやら前期型からの変更点は無い模様。
レザー風のダッシュボードにオレンジのステッチがおしゃれです。
アイポイントはそんなに高くなく、運転している感覚としてはどちらかというとミニバンよりもコンパクトカー。
前期型でも感じましたが、トヨタ車にしてはハンドルは重め。
ライバルでもあるフリードと比べると、その差は顕著です。
エアコンパネルも前期型からキャリーオーバー。
シートポジションに依存する部分もあるかとは思いますが、走行中Dレンジに入れているとデフロスターや内外気切り替えのスイッチが死角になったり、操作しづらかったりします。
あまりこの点を不便に思うユーザーはいなかったのでしょうか。
シート表皮はファブリック。
6wayシートとなっておりますが、短いボディに3列を収める必要があるからか、前後移動の幅が少ないのが欠点です。
長身の方はややキツいかも…?
ホールド性は並。Xグレードでもアームレストは欲しいですね。
私は利用していないので言及は避けておきます。
2列目シートはワンタッチで1列目シートバック方向へと倒れ込み、3列目シートへのアクセスを確保してくれます。
停車時に3列目シートへ座ってみましたが、身長167cmの私ですら辛うじて乗れるレベルです。
小さな子ども用や非常時用シートとしての認識の方が良さそう。
昨年の4月に、大人7名で前期型シエンタで往復400kmほど移動したのは、今考えると狂気の沙汰だったのかもしれません。
当ブログでは初めての前期型後期型をしっかり比較した記事を意識して編集しました。
今回のマイナーチェンジでは、冒頭にも書きましたがリヤシートリマインダーをはじめ、インテリジェントクリアランスソナーの設定やパワースライドドア予約ロック機能の設定などが目玉として追加されています。
しかしなんといっても5人乗りグレードの新設が大本命であり、逆に動力・運動性能や内外装デザインの変更などは最小限に留められたように思います。
たった私一人が前期型に数日乗っただけで感じた不満点とはいえ、何ひとつ改善されていなかったのは少しショックでした。
一般論として車は前期より後期の方が良くなるのが当たり前ですが、今回のマイナーチェンジに限っては、あえて後期型を買う必要は無いのかなと思った次第です。
フロントマスクは私は後期型の方が好みですけどね。
試乗車データ
トヨタ・シエンタX(6AA-NHP170G-MWXNB★)
ボディサイズ:全長*全幅*全高=4,260*1,695*1,675mm
ホイールベース:2,750mm
車両重量:1,380kg
車両総重量:1,765kg
駆動方式:前輪駆動方式
エンジン型式:1NZ-FXE
エンジン種類:直列4気筒
総排気量:1.496L
トランスミッション:電気式無段変速機
最高出力:74ps/4,800rpm
最大トルク:11.3kgf・m/3,600?4,400rpm
燃料タンク容量:42L
モーター型式:2LM
モーター種類:交流同期電動機
最高出力:61ps
最大トルク:17.2kgf・m
タイヤ:185/60R15 84H(TY・ナノエナジーJ63)
サスペンション:マクファーソンストラット/トーションビーム
ブレーキ:ベンチレーテッドディスク/ディスク
WTLCモード燃費:22.8km/l
JC08モード燃費:28.8km/l
最小回転半径:5.2m
価格:\2,226,960-
試乗車:2,653,727-(諸費用込)
オプション:ホワイトパールクリスタルシャイン(\32,400-)、Toyota Safety Sense(\43,200-)、インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)](\28,080-)、スマートエントリーパッケージ(\39,960-)、エントリーナビ(ステアリングスイッチ付)+ナビレディパッケージ用(\96,120-)、ビルトインタイプ<ボイスタイプ>(\14,040-)、バックガイドモニター(\17,280-)、フロアマット(ベーシックタイプ)(3列用・車いす仕様車用)(\31,320-)
年式:平成30年9月登録
出発時ODO:1,868km
道路比率:市街地2、高速8
走行距離:152.3km
使用燃料:9.3L(無鉛レギュラーガソリン)
燃費:16.38km/l(満タン法)、18.4km/l(車載燃費計)
レンタル料:\10,800-(免責補償料込)
燃料費:\1,465-
高速代:\2,540-
参考文献
・トヨタ ご購入サポート | 見積りシミュレーション | トヨタ自動車WEBサイト
ツイーター装備 |
シガーソケットの代わりにUSBポート2つを装備 |
3列目にもカップホルダーと肘掛を完備 |
フロントマクファーソンストラット |
リアトーションビーム |
トーヨータイヤ・ナノエナジーJ63 |
空力を考慮してか三角窓の位置に2つのフィンがある |
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