このエンジンに組み合わされるトランスミッションは、Super CVT-i。
近年のトヨタ車のCVTは文句なしと言えるほどにレベルが高く、ギクシャク感はほとんどありません。
電子スロットルの制御もマイルド傾向で、小型エンジンを搭載したCVT車にありがちな早開きすぎるということもなく、アクセル操作に気を使わなくて済みます。
カローラアクシオという車がゆったりとした性格であり、誰でも運転しやすいと思わせる一面です。
先代140系まで採用されていたMCプラットフォームより1つ車格が小さなA、Bセグメント用ではあるものの、大きな弊害は感じられませんでした。
決して剛性感の高さや、接地感の高さを感じられるような車ではないのですが、だからといって不安感を持つ場面もなく、良い意味でカローラらしい味付けになっているのは流石だなとうなりました。
ステアリングはかなりダルめで、切り始めてからワンテンポ遅れて車体がロールしだす足回りは、好みが分かれそうではありますが、カローラの購買層を考えるとこれが正解なのでしょう。
目を三角にして限界ギリギリを攻めるような車ではありませんから。
とはいえ、少し速度域を上げてワインディングを走行してみると…。
ステアリングを通じて得られるタイヤからのインフォメーションは皆無ではあるものの、するするとノーズが入って行き、意外にも楽しい一面を発見。
ロール量が大きい分、荷重移動が分かりやすく、ホイールベースも長いためそれなりに限界は高そうで安心して走行できました。
ただ、高速走行時、具体的には80km/hを超えたあたりからバネの収縮が収まらないようなふわふわとした挙動が垣間見え、大きなアンジュレーションを越えた際などには、大げさな表現ではありますが、リアがバウンドするような動きを見せる点は気になりました。
これは、過去にフィールダーハイブリッドに試乗した際の記事にも同じ内容を記述しています。
恐怖を感じる、というと大げさになりますが、もう少しどうにかならなかったのかなという印象です。
いくら国内専売モデルとはいえ100km/h超は想定しておいて欲しいところ。
それを避けるために効きすぎてきたなという場面で、少しだけブレーキペダルを戻すと今度は乗員にショックが伝わるくらい滑走してしまう事態に。
これはブレーキの問題というより、CVTのトルクコンバーターの問題でしょうか。
内装色はブラック。
ダッシュボードに曲線を用いている点以外は非常にシンプルで実用的な印象。
運転席に座って、精一杯身を乗り出してもボンネットは見えないのですが、少し乗っただけで車を左に寄せるのが全く苦にならないほどの車両感覚の掴みやすさには驚かされます。
シートリフターは装備されているものの、最も低いポジションにしてもセダンとは思えないほど高めのアイポイントで、Aピラーもかなり細くなっているため、ストレスフリーに運転ができます。
既述の通り、ペダル類が軽いのはもちろん、ハンドルも軽くレバーやスイッチの剛性も上々。
今となっては古典的なフロアゲートシフトや、サイドブレーキ式パーキングブレーキも身体にしっかり馴染みます。
コンフォート亡き今、カローラアクシオがベースとなったトヨタ教習車が全国の自動車学校で活躍しているようですが、運転を学ぶには最適の車かと思います。
ブラック一色のファブリック地のシートすらも、もはや懐かしく感じてしまいます。
無理に飾らない姿勢こそが、今までカローラに求められてきたものなのかもしれません。
後席は前席に比べてヒップポイントが高めに設定してあり、開放感があります。
シートの形状を見るに5名乗車は辛そうですね。
一体型のヘッドレストは少し残念。
2名乗車ではパワー不足を感じることもなく、ヴィッツやアクアと比べると車内も広いことから、快適に移動することができました。
主に郊外の道路を走行した時間が長いため、車載の燃費計ではJC08モード燃費を超える20.7km/lという低燃費を記録しました。
満タン法でも約20km/lとJC08モード燃費に肉薄する数字をマークしており、1.3Lガソリンエンジンとしては、十分すぎる環境性能ではないでしょうか。
既に次期型カローラセダン/ワゴンのホームページが作られており、いよいよカローラアクシオ/フィールダーの歴史に幕が下ろされようとしています。
日本人が日本人のためだけに作った車ゆえに、日本人が日本の道路を走るのにはこれ以上ないほどに最適化されていると言っても過言ではないと思うほどでした。
「スタンダード」という言葉がこれほどまでに当てはまる車はやはりカローラだけだと思います。
”グローバル”スタンダードとなる次期型カローラの登場も楽しみです。
スポーク部ほぼ全てがホーンボタンとなっており誤爆に注意 |
吊り下げ式フットペダル・フットレスト |
カーボン調シフトパネル |
スモール連動でカップホルダー上部にある小さなライトが点灯する |
助手席アッパーボックス |
ダイヤル式マニュアルエアコン |
スモール連動ブルーイルミネーション |
トランクスルー機構はなし |
開閉用ドアハンドルが無いのが気になった |
後席ニースペースはこぶし1つ |
センタートンネルはなくウォークスルーが可能 |
セーフティセンス標準装備 |
赤い部分が多いリアコンビランプがお気に入り |
シンプルながらまとまったデザイン |
グレードを表すエンブレムは装着されない |
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