タイムズカープラス / 2018.6~ ダイハツ・ミラトコット G ”SA Ⅲ” (FF/CVT)

2019年初試乗は、昨年6月に登場したミラトコットです。
「To Character(自分らしさの表現)」、「To Comfortableness(安心安全、運転しやすさ)」、「To Convenience(使いやすさ)」、これら3つの言葉の頭文字を取って、ミラトコットと名付けられました。(公式ホームページより)
2018年度のグッドデザインアワードや、2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤースモールモビリティ部門を受賞するなど、昨年とても注目された一台です。

このミラトコットはダイハツが2009年から2018年まで製造・販売していたミラココアの実質的な後継車という位置づけであり、若い女性や初めて車を購入する層がメインターゲットとなっています。
スズキがアルトをベースに開発したアルトラパンが若い女性を中心にヒットを遂げたことから、その後を追うように投入されたミラココアとは異なり、女性向け商品にありがちな可愛さや格好良さでなく、徹底して素の魅力にこだわって開発された車がミラトコットです。
女性社員で構成するプロジェクトチームが中心となって、「本当に女性が求めるモノ」が具現化されています。
昨今の主流であるハイトワゴンボディではなく、軽セダンボディを採用したスクエア基調のシンプルなデザインなどが話題となりました。
ダイハツ ミラトコット 商品企画担当者「徹底して素の魅力にこだわった」…女性プロジェクトチーム | レスポンス(Response.jp)
そんなシンプルでオシャレなミラトコットが、4時間無料で乗れてしまう「ミラトコット無料体感キャンペーン」が実施されています。
タイムズ24とダイハツによって提供されているこのキャンペーンは、今年3月末までタイムズカープラスのミラトコットを4時間(240分)無料で利用することができます。
私もこのキャンペーンを利用して、4時間無料で試乗することができました。(別途免責補償料が必要:任意)
タイムズのカーシェアでミラ・トコット 無料体感キャンペーン

グレード体系は上からG、X、LとなっておりエントリーグレードのLのみ予防安全機能のスマートアシスト3の有無が選べます。
今回タイムズカープラスに納入されているミラトコットは、キャンペーンを張っているからなのか車両本体価格が安いからなのか、最上級グレードのG”SA Ⅲ"となっており、少しお得感がありますね。
搭載されるエンジンは、全グレード共通のお馴染みKF型。
ミラやムーヴ、ウェイクなどにも搭載されているごく標準的な660cc自然吸気エンジンです。
アイドリング時や低負荷走行時などはチリチリといったエンジンサウンドが車内にまで届きます。
加速時にはエンジンサウンドというよりも、「ヒュイーン」といった甲高いトランスミッションのものと思われる音が大きく、あまり静かとは言えません。
街乗りではそこまで非力さを感じる場面はなく、必要十分といえそうです。
高速道路でも合流や追い越しは「頑張ってる感」が凄いですが、80~100km/h巡航ではエンジン自体は比較的静かで、却って静粛性の低さから来るロードノイズや環境音の方が気になりました。
60km/h以上は巡航時でもラジオや音楽が聞こえにくいほど車内がうるさく、安価な車とはいえもう少し頑張って欲しかったところ。
10年前の軽自動車より幾分かマシかな、というレベルです。
足回りはフロントストラット、リアトーションビームのごく一般的な構成に、155/65R14インチタイヤの組み合わせ。
新車装着タイヤはダンロップ・エナセーブEC300というエコタイヤです。
タイヤを換えることでロードノイズはもう少し軽減できそうですね。

ショックアブソーバーの味付けが良い塩梅で、硬すぎず柔らかすぎずフラットな乗り心地で感心しました。
スタビライザーは敢えて装着せずに(全グレード)、リバウンドスプリングというものを代わりに追加し、ロール剛性を高めています。
単純に比較するのは野暮であることを承知の上ではありますが、最近乗ったFF小型車の中で乗り心地が良いと感じたトヨタ・シエンタよりも、高速旋回時の安心感が高く驚きました。
もちろん全高が大きく違うのは事実ではありますが、ミラトコットの低重心ボディ、ロール剛性の高さが伺えました。
ダイハツ・ミラトコットvsミライース メカニズム比較&試乗:単に軽い・柔らかいだけではないトコットと、燃費重視ながらスポーティなミライース|MotorFan[モーターファン]

街乗りでは片手でするすると回せてしまうほど軽いパワーステアリングですが、高速走行時にはしっかり重くなって、細くて軽いボディながら安定感もしっかりあります。
ここはかなり好印象です。
セラミックホワイトのインパネガーニッシュがオシャレな印象を与えるインテリア。(X以上に標準装備)。
ストレートのインパネシフトを採用しており、運転席・助手席間のウォークスルーが可能です。
Gにのみ標準装備されるプッシュ式のオートエアコンや、単眼メーターの縁にあしらわれているメッキメーターリングが高級感を演出してくれています。
シンプルゆえにX以下のダイヤル式マニュアルエアコンを見ると、途端に安っぽく見えてしまうのが残念。
スクエアなボディ形状や、後述するパノラマモニターによって死角を極限まで減らすことを目標として開発されていることが分かります。
フロントシートは独立式。
カラーパイピング付きのフルファブリックシートは背もたれがベージュ、座面がブラウンのコンビネーションカラーとなっており、汚れが目立ちにくいよう工夫されています。(Gに標準装備)
運転席シートは、座面の前後・上下、背もたれの前後が調節可能な6Wayとなり、ステアリングホイールもチルト機構付きです。
どちらも軽自動車としてはまずまずの可動域があります。
身長167cmの私の場合、セダンボディとはいえ頭上のスペースには十分余裕があり、圧迫感はありませんでした。
ミラトコットの装備として最も注目すべき点はやはりパノラマモニターでしょうか。
Gに標準装備されるパノラマモニターは、軽自動車としては初採用。(公式ホームページより)
フロントとサイド(ドアミラー下部)、リアに装着された4つのカメラを駆使して、上空から自車を見下ろすような映像を(画像左)ナビ画面に表示することができます。
フロントカメラの映像だけや左右のミラー下部の映像など計6つの表示パターンを任意に選択することができ、バック駐車時のみならず、前進駐車や縦列駐車、狭い路地でのすれ違いなどでもカメラ映像がサポートしてくれます。
今回は4時間という限られた時間の中での試乗だったため、残念ながらパノラマモニターを活用することができませんでした。
通常走行中でも表示できるため、さまざまなシチュエーションで利用できそうなだけに、次ミラトコットを運転する機会があれば、色々と試してみたい次第です。
さて、今回はミラトコットを大人1名乗車で約90km走行しました。
追加課金すれば4時間という時間にとらわれる必要はなかったのですが、ついつい無料に抑えたいというケチな私が出てしまい…。
博多-久留米間を1往復することしかできませんでした。
主に通行した道路は、九州自動車道、福岡都市高速道路、国道3号線、県道17号線(鳥栖筑紫野道路)です。
片道一般道、片道高速を用いて往復しました。
満タン法による計測はできませんでしたが、車載の燃費計では23.0km/lの低燃費をマークしておりました。
全行程のうちの大部分を高速道路やバイパス道路を通行しているために、少し良すぎる数値が出てしまっているかとは思いますが、普段使いでも18~20km/l辺りは堅いのではないでしょうか。
細かいところになりますが、ダイハツ共通のスイッチ式のウインカーレバーはやはり癖があります。私は慣れませんねえ。
車速感応式パワードアロックは驚きました。軽自動車に必要なんでしょうか。

軽自動車とはいえども、最近では小型登録車を上回る価格帯の車種やグレードが売れ筋となっており、ゴテゴテキラキラしたデザインが好まれている中で、その真逆を行くコンセプトで登場したミラトコットはとても面白く感じますし、ある意味大きな挑戦だと思います。
税制や我が国の道路事情などを鑑みると、車両本体価格が多少割高でも軽自動車が売れる理由は分かります。
しかし、本来の軽自動車とはミラトコットのようなシンプルで、飾らないで、かと言って不足はなくて、安価な車なのではないでしょうか。
街行く車を眺めていると、やはり残念ながらトールワゴンの軽自動車が圧倒的に多いのは事実ですが、ミラトコット、もっと注目されて良い車だと思います。


試乗車データ
ダイハツ・ミラトコットG"SA Ⅲ"(DBA-LA550S)
ボディサイズ:全長*全幅*全高=3,395*1,475*1,530mm
ホイールベース:2,455mm
車両重量:720kg
車両総重量:--
駆動方式:FF(前2輪駆動)
エンジン型式:KF型
エンジン種類:水冷直列3気筒12バルブDOHC横置
総排気量:658cc
トランスミッション:CVT
最高出力:52ps/6,800rpm
最大トルク:6.1kgf・m/5,200rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量:30L
タイヤ:155/65R14 75S(DL・エナセーブEC300)
サスペンション:マクファーソンストラット/トーションビーム
ブレーキ:ディスク/リーディングトレーリング
JC08モード燃費:29.8km/l
最小回転半径:4.4m
価格:\1,296,000-
試乗車:\1,361,796-(諸費用込)(ナビ・ETC別)
オプション:カーペットマット(2WD)(1台分)(\15,293-)、ルームランプ(LED・ホワイト)(\4,493-)


年式:平成30年7月登録
出発時ODO:10,131km
道路比率:市街地3、郊外3、高速4、山岳路0
走行距離:93km
使用燃料:--
燃費:23.0km/l(車載燃費計)

レンタル料:\309-(免責補償料込)
燃料費:\0-
高速代:\1,040-

試乗日:平成31年1月6日14:00~18:00


サニーデイブルーメタリック<B84>



















LEDヘッドライトは明るくてGOOD(全グレード標準装備)



















フロント・サイドに比べてやや詰めの甘いリアマスクがイマイチ



















フロント・マクファーソンストラット

リア・トーションビーム




































2トーンカラードフルホイールキャップ(Gに標準装備)



















ラゲッジルーム



















リアシートは一体可倒機構



















リアシートの座面はフラット



















後席レッグスペースは広々としています



















助手席シートバックショッピングフック(G、Xに標準装備)



















LEDルームランプ(メーカーオプション)



















パーキングブレーキは足踏み式



















シートヒーターはGに標準装備
































































































































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