タイムズカープラス / 2016.5~ ダイハツ・ウェイク L ”SA Ⅱ” (DBA-LA700S)

最終更新日:平成30年6月16日(土)

主要諸元

型式:DBA-LA700S
トランスミッション:CVT
全長:3,395mm
全幅:1,475mm
全高:1,835mm
ホイールベース:2,455mm
車両重量:1,000kg
エンジン型式:KF-VE3
エンジン種類:水冷直列3気筒12バルブDOHC横置
総排気量:658cc
圧縮比:11.3
燃料タンク容量:36L
最高出力:52PS/6,800rpm
最大トルク:6.1kgf・m/5,200rpm
JC08モード燃費:25.4km/l
最小回転半径:4.4m
タイヤ:155/65R14
ブレーキ:油圧式ベンチレーテッドディスク/リーディング・トレーリング
サスペンション:マクファーソンストラット/車軸式(トーションビーム)
メーカー希望小売価格:1,550,000-
特徴的なCMでお馴染みのスーパーハイトワゴン軽のウェイク。
発売当時はその背の高さに非常にインパクトがありましたが、気がつけばトヨタからもピクシスメガとしてOEM販売が開始され、ずいぶんと見慣れるようになりました。
早いもので既に登場から丸3年が経過し、フェイスリフトを伴ったマイナーチェンジも受け、装備の充実が図られています。
今回、TCPでお借りした車両は、2016年5月に施された一部改良後のモデルで、後期型という認識で良いのでしょうか。
普及グレードのスマートアシストⅡ搭載、L ”SA Ⅱ”というNAモデルです。
2017年6月登録の車両で、総走行距離は11,000km弱でした。

エンジン・トランスミッション

軽自動車という限られた規格の中で、最大級の大きさ広さを誇るウェイクですが、エンジンルームは意外とスカスカで驚きました。
搭載されているエンジンは、KF型とよばれるダイハツの軽自動車で一般的なものに、これまた一般的なCVTが組み合わされています。
乾燥重量1tという、軽自動車の中で最も重量級ながら、ミラやムーヴと基本的には同じエンジンということで、やはり非力さは否めません。
特にNA車両ということもありますが、燃費重視のCVT制御も相まってか、発進加速はかなりのアクセル開度が必要となる場面がありました。
やはりこの辺りは車重の重さが災いしているのかなという印象です。
今回、九州道や福岡都市高も走行しましたが、高速域での巡行や中間加速は、発進加速ほどの非力さはなく、案外快適に走ることができました。

NAの軽自動車ということで、アクセルをやや強く踏み込まないといけない場面もありましたが、エンジンサウンドはあまり気にならず、ヒュイーンといった、おそらくミッションと思われる音の方が大きめです。
こちらは副変速機付きですがスズキ・ソリオ(MA15S)の変速音に近く感じました。

足回り・剛性感

タイヤサイズは前後共に155/65R14。
前期型Lグレードではパッケージオプションだった14インチアルミホイールも標準装備となっています。

1tのボディを支える足回りは硬めのセッティング。
私の身長よりも高い全高を誇る大柄なボディですが、高速道路のインターチェンジやジャンクションなど、比較的高速域で旋回する場面でも、ロール感が少なく安定している印象です。
ただ、軽自動車用の細いタイヤと、見た目から来る先入観から、やや不安感が拭えないのは否めません。
しかし、ミッションの例で挙げたスズキ・ソリオ(MA15S/MA26S)よりも高速旋回時の安心感・安定感は高く感じました。

このドライビングフィールを獲得するために犠牲となったのか、乗り心地はあまりよくありません。
この手のサイズのFFのリアは期待しない方が良いのかもしれませんが、小さなギャップを拾っただけでも大きな衝撃と、騒音が車内に響きます。
またタイヤの特性かもしれませんが、ロードノイズを拾いやすい上に静粛性が低いこともあって、アスファルトの舗装具合によっては、車内全体に不快な音が響き渡る場面がありました。
さらにそのロードノイズによるものか、車内の内張りや助手席のシートベルト取り付け部分などから、共鳴によるビビリ音が発生しているのも気になります。

リアシート・ラゲッジルーム

こちらも前期型Lグレードではメーカーオプションだった、両側パワースライドドアが、後期型では標準装備となりました。
運転席ハンドル右側にある開閉スイッチや、スマートキーからも操作することができます。

ウェイクでは、ダイハツお馴染みの助手席側Bピラーレスのミラクルオープンドアは採用されていません。
前席を一番後ろまでスライドした状態での、後席開口部はやや狭め。
後部座席は撮影時に腰掛ける程度でしか利用していませんが、スピーカー下のドリンクホルダーが、着席時の肘かけとして快適でした。
幅の狭い軽自動車ならではの工夫ですね。
さらにこちらの格納式リアドアサンシェードも、メーカーオプションだったものが標準装備となっています。
もちろん手動ですが、気分はFセグメントセダンです。(笑)
全高が高いゆえにリアハッチも大きめです。
開閉するにはかなりのスペースが必要となります。
またハッチ本体の重さもなかなかで、開閉は女性や小さいお子さんではやや厳しいかもしれません。
コストや強度など難しい面があることは承知ですが、横ヒンジや上下分割式などでも良かったのでは?
最近の軽自動車お得意のシートアレンジの多彩さはウェイクも健在。
荷室フロア下もラゲージアンダートランクを設けてあり、収納となっているようですが、撮影を忘れてしまいました…;
画像1枚目は、後席を最も後ろまでスライドした状態ですが、それでも荷室には十分の広さがあります。
背の高さだけでなく、室内空間もドデカク使うことができるよう設計されているようです。
後部座席は荷室からもスライド操作ができるようになっていました。

インテリア・コックピット

内装も外装同様スクエアなパーツが多用されており、ゴツゴツとした印象。
近年の軽自動車のトレンドに漏れず、運転席・助手席周りの収納力の高さはさすがです。
少し物珍しく感じる四角いカップホルダーですが、コンビニのアイスコーヒーを入れても安心でした。
私が見つけられなかっただけかもしれませんが、チルト・テレスコピック・シートリフター、いずれも無く、ドライビングポジションの調整はシート前後のスライドのみでした。
私の体格的に、軽自動車は基本的にどの車種でもベストポジションにならないのですが、シートのスライドのみながら、ウェイクはそこそこマシなポジショニングができたのは偶然でしょうか。
背が高く、Aピラーはかなり直立気味で、ボンネットはとても短いため、前方方向の死角が少なく、また、車両感覚も目視で確認できるため、運転はかなりしやすいです。
また、同じ理由で後方視界もかなり良いため、バックも非常にストレスなくできます。

スーパーハイトワゴン用の幅広サンバイザーは、見かけのシュールさに加え、よほど座高の高い人でない限りバイザーとしての機能を成さないのはご愛嬌でしょうか。
ハンドルは特段可もなく不可もなく。
唯一気になったのが、ウインカーレバーが、いわゆるレバーではなくスイッチのような挙動を見せる点。
形状はもちろん一般的国産車のウインカーレバーなのですが、ウインカー作動時に上下に動かず、例えるならば普通にウインカーを出そうとしてもワンタッチウインカーのような挙動で元に戻って来てしまいます。
ウェイクに限らずダイハツ車全般に採用されているのかもしれませんが、これは最後まで慣れませんでした。
スイッチの挙動もぐにゃとした感覚で個人的にはイマイチです。

スマートアシストⅡ

今回の車両はスマートアシストⅡ搭載車両ということで、カメラ・レーザーレーダー・ソナーセンサーがそれぞれ、フロントウィンドウ上部と、フロントグリル内に装備されており、衝突回避支援システムや車線逸脱警報など安全装備が充実しています。
このような安全装備は普段使うものではありませんが、やはりいざという時にあって損はないと思いますし、多少割高になっても装備する価値は十二分にあると思います。
ちなみに2017年11月の一部改良で、カメラがステレオカメラに置換されたスマートアシストⅢへと更新されているようです。

総評

ダッシュボード中央部に鎮座するセンターメーターには、後部座席からでも視認できるほど視野性抜群のスピードメーター。
上位グレードになるとタコメーターなどが追加され、もう少し賑やかになるようです。
また画像ではオレンジに点灯している部分が、アクセル開度などによってイエローやグリーンに変化し、エコドライブを促してくれます。
ダイハツ車では希少な、ダイハツエンブレムを装備しない車種のうちのひとつがウェイク。
ウェイクの頭文字Wをモチーフとしたエンブレムがグリル中央にあしらわれています。
そしてフロントフォグランプも、後期型からは普及グレードのLでも標準装備。太っ腹ですね。
他にもオートライトや、オートロック、パーキングレンジ連動アンロックなど、上級車並みの装備が充実していました。

今回ちょうど100km走行しましたが、メーター内に表示される燃費計はどうやらODOを基準に平均燃費を算出しているようで、出発時13.0km/l、返却時13.1km/lを指していたため、燃費は完全に未知数です。楽しみにしていただけにちょっと残念。

車の大きさのみならず、価格もなかなか大きな(今回お借りしたグレードは155万円~)だけに、装備の充実具合は文句なしです。
デビュー当時の同格グレードにあたるL "SA"(156万円)から1万円安くなっているにも関わらず、当時はメーカーオプションだった装備が多数標準装備化されており、マイナーチェンジでよりお買い得度が増しているのもポイントです。
さらにスマートアシストⅢへと進化した、現在販売されている同格グレードのL "SAⅢ"も価格は据え置きとなっているようです。

CMが物語っているように、遊び心がたくさんつまった車だと思います。


参考文献
ダイハツ・ウェイク - Wikipedia
ダイハツ・KF型エンジン - Wikipedia
ウェイク主要諸元表
価格.com - ウェイク 2014年モデル L SA IIのスペック・仕様(2016年5月17日発売) - 自動車カタログ・価格比較

おまけ
今回撮影時にコンデジのバッテリーが切れてしまい、一部iPhoneで撮影した画像と織り交ぜて記事を作成しました。
普段撮影に使用しているコンデジも大したものではありませんが、パソコンに取り込み、見比べてみても全く遜色のないiPhoneのカメラ、恐るべし…。
どの写真がコンデジでどの写真がiPhoneか分かりますか?(笑)

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