タイムズカーレンタル / 2017.3~ マツダ・フレア HYBRID XG (FF/CVT)

1993年に登場した、軽トールワゴンのパイオニア的存在でもあるスズキ・ワゴンR。
マツダからもOEMとしてフレアという名で販売されています。
今回はワゴンRとして6代目にあたる、2017年に登場したMH35S/MH55Sのマツダ版、MJ55Sフレアに試乗しました。

実は昨年10月に、MH55SワゴンRに試乗しており今回は実質2回目の試乗となりました。
外観に若干の差異はあるものの、概ね同じ車としてワゴンR/フレア両方のレビューとさせて頂きます。
ワゴンRにのみ設定されるエントリグレード「FA」を除き、全てのグレードがマイルドハイブリッドとなります。
13km/h以下で最長10秒間、モーターでのクリープ走行が可能となっており、また100km/h以下での走行時、エンジンによる走行に加えモーターのアシストも行われます。(公式ホームページより)

当代では初代(CT系)をオマージュした、リアバンパー下部にレイアウトされるリアコンビネーションランプが特徴的です。
また、ハイブリッドFZ(マツダ・ハイブリッドXS)では上下分割式のヘッドライトが採用されており、2代目(MC系)や3代目(MH21/22S)のRRを彷彿とさせます。

今回は、フレアでは最も安価なグレードとなるハイブリッドXG(スズキ・ハイブリッドFX)に試乗しました。
搭載されるパワーユニットは、R06A型エンジンにWA05A型モーターを組み合わせたもの。
エンジンのスペックだけ見ると、ダイハツのKF型とほとんど同じですが、現行型アルトから採用されている軽量・高剛性設計の新型プラットフォーム「ハーテクト」の採用により、乾燥重量が770kg(FAは730kg)と非常に軽量なボディを持ち合わせていることから、ストレスなく走ることができます。
スペックだけで見るとホンダのS07Aが大きく上回っておりますが、あちらはトルクを重視したり燃費を重視したりした結果、高回転域での効率が犠牲になっているようで、全ての回転域を通して不満を感じないエンジンなのは間違いなくワゴンRです。

3.1ps/5.1kgf・mと比較的出力の小さなモーターで、あくまで「アシスト」という位置づけではあるのですが、結構な頻度で高速走行時にアシストを行ってくれているようで、100km/h巡航回転数が3,000rpm強と静粛性にも一役買っているのかな、という印象です。
クリープ時のモーター走行が静かなのはもちろんですが、私としては軽自動車の完全停車前のアイドリングストップと再始動を繰り返すセルモーター音が耳障りに感じることが多いため、マイルドハイブリッドによる恩恵は大きいです。
広瀬すずさんの出演するCMでもお馴染みの「キュルキュル言わない!」という感想は誰もが持つと思います。
ハイブリッドカーが当たり前となった今ではそんなに珍しいことではないのかもしれませんが、軽自動車でセルモーターの音がなく再始動するのはやはり画期的です。
フロントストラット、リアトーションビームの足回りに、155/65R14インチのダンロップ・エナセーブEC300+が新車装着タイヤとして設定されています。
ワゴンRは当代の他に3代目(MH21S)、4代目(MH23S)、また5代目(MH34/44S)をベースとしたハスラー(MR41S)を試乗したことがありますが、総じてスズキの軽自動車は乗り心地に難ありな印象です。
漏れなく当代も、他社の軽自動車に比べて乗り心地は悪い評価となりました。

特にリアのショックアブソーバーの動きが悪く、厳しい言い方をすれば3代目(MH21S)からさほど進化していないのではと思ってしまうほど。
当代より基本設計は古いものの、三菱・eKワゴンの方が遥かに乗り心地が良いです。
路面のアンジュレーションを吸収することなく、ダイレクトに車内に振動が伝わってくることもしばしばで、同乗者からの評価は最悪でした。
ハスラーでは同じスズキのソリオ(MA15S)のショックアブソーバーを移植することで、見違えるほど乗り心地が向上するという例もあり、スズキはこの辺りでコストダウンを大きく行っているのかなと思います。
ハスラーの乗り心地は悪いらしいけど改善方法はあるの? - 車活ラボ

回頭性や直進安定性については問題なく、軽トールワゴンではありながらルーフが振られるような挙動もありません。
ステアリングからのインフォメーションは全くありません。
1名乗車ではあまり気になりませんでしたが、2名乗車、3名乗車と重量が増すにつれてロール剛性の低さも気になりました。
インテリアカラーはブラック。
水平基調のデザインが横方向に対する広さを感じさせます。
シンプルながらもフルオートエアコンが装備されていたり、ステアリングホイールにシルバーベゼルが入っていたりと、必要十分な印象です。
センターメーターは賛否両論ありますが、私はあまりネガティブなイメージもなく、視認性に関しても通常のメーターと大差ないように感じます。
フロントシートは独立式で、座席間にアームレストが装備されています。
シートリフター、チルトステアリングはハイブリッドXS(スズキ・ハイブリッドFZ)のみの装備。
軽ワゴンナンバー1の室内長を誇っていることもあり、運転席シートの可動域は軽自動車にしては余裕がある方だと思います。
チルトステアリングももちろんですが、テレスコピック機構もあると、よりドライビングポジションの自由度が高まるだけに残念。
運転席エアコン吹出口上部や、助手席前部など収納の多さは、今や軽自動車では当たり前となりました。
先代(MH34/44S)から培ってきたハイブリッド技術、エネチャージ、S-エネチャージをより進化させ、ほぼ全てのグレードでマイルドハイブリッドとなった当代は、軽トールワゴンのパイオニアから、軽ハイブリッドのスタンダードへと進化を遂げたのではないでしょうか。
動力性能は申し分ないだけに、足回りの詰めの甘さと言いますか、そこが非常に残念です。

今回は900km超をフレアで走行しました。
全行程の半分以上を高速道路を走行したとはいえ、約23km/lの低燃費に驚かされました。
エアコンの必要のない時期に、一般道を中心に走行した前回試乗時には26km/lを超える低燃費を記録しています。
これからの時代、軽自動車もハイブリッドが当たり前となって行くのでしょうか。

試乗車データ
マツダ・フレアHYBRID XG(DAA-MJ55S)
ボディサイズ:全長*全幅*全高=3,395*1,475*1,650mm
ホイールベース:2,460mm
車両重量:770kg
車両総重量:990kg
駆動方式:2WD(FF)
エンジン型式:R06A型
エンジン種類:水冷直列3気筒DOHC12バルブVVT
総排気量:0.658L
トランスミッション:自動無段変速機(CVT)
最高出力:52ps/6,500rpm
最大トルク:6.1kgf・m/4,000rpm
燃料タンク容量:27L
モーター型式:WA05A型
モーター種類:直流同期電動機
最高出力:3.1ps/1,000rpm
最大トルク:5.1kgf・m/100rpm
タイヤ:155/65R14 75S(DL・エナセーブEC300+)
サスペンション:マクファーソンストラット式/トーションビーム式
ブレーキ:ディスク/リーディングトレーリング式ドラム
JC08モード燃費:33.4km/l
最小回転半径:4.4m
価格:\1,177,200-
試乗車:--
オプション:--

年式:平成29年10月登録
出発時ODO:15,939km
道路比率:市街地1、郊外2、高速6、山岳路1
走行距離:944km
使用燃料:41.22L(無鉛レギュラーガソリン)
燃費:22.8km/l(満タン法)、23.5km/l(車載燃費計)

レンタル料:\5,830-(免責補償料込)
燃料費:\5,818-
高速代:\10,820-

試乗日:平成31年2月12~14日


シルキーシルバーメタリック<X2S>



















リアシートは分割可倒式



















ワンタッチダブルフォールディングリアシート



















レジ袋などをかけておけるフック付き



















ドアが風などで開きすぎないようドアオープンストッパー付き



















スライド機構付きリアシート



















前席を最も後ろに下げても足元にはこれだけの余裕がある



















軽自動車初アンブレラホルダー



















スズキ車お馴染み助手席シートアンダーボックス



















運転席シートヒーター標準装備



















運転席4wayシート



















3代目(MH21/22S)から変わらないキーレスエントリーキー




































































































































































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