タイムズカーレンタル / 2016.7~ マツダ・アクセラ 15C (FF/6AT)

今日の日本の自動車産業の礎を築いたと言っても過言ではないトヨタ・カローラ、日産・サニー、マツダ・ファミリアら大衆車たち。
2018年8月現在、今もなお自社生産で大衆車として名が残っているのはカローラのみとなりました。
しかしサニーはシルフィとして、ファミリアはアクセラとして販路を海外へと拡大し生き残っています。
今回はそんなマツダの大衆車ファミリアをルーツに持つアクセラのセダンに試乗しました。

2003年にファミリアの事実上の後継車として開発されたアクセラは教習車としても有名。
現在では教習車市場の半数近くのシェアを誇っているのだとか。
今回試乗したのは2013年に登場したアクセラとしては3代目の後期型です。
3代目通称BMアクセラは今回試乗したセダンと、スポーツと呼ばれる5ドアハッチバックの2つのボディタイプがラインナップされています。
セダン需要の少ない我が国ではハッチバックボディのスポーツはよく見かけますが、セダンは専ら教習車ばかり…。
やや寸詰まり感のあるリア周りの処理が気になりますが、トランクルーム容量は申し分なし。


















ファミリアに立ち代わる世界戦略車として開発されたアクセラは、国産車としてはボディサイズが大きめです。
特にセダンに至っては全長が4.5mを超え、全幅もほぼ1.8mとDセグメントに肉薄する大柄さ。
セダンゆえにアイポイントが低く死角も多いため、狭い道路でのすれ違いなどは気を使います。

私が普通自動車免許取得時に通っていた自動車学校の教習車はトヨタ・コンフォートでした。
それと比べると窓が小さく死角も多いため、初めて運転する車としてはやや難しい印象を持ちましたが、免許取得後のことを考えると逆に少し難しいくらいの車の方が良いのかもしれませんね。
コンフォートはずば抜けて死角が少なく運転が楽な車でした。
アクセラの魅力のひとつにパワートレインの豊富さが挙げられます。
ボディタイプや年式によって若干の差異はありますが、1.5Lガソリン、2Lガソリン、1.5Lディーゼル、2.2Lディーゼル、2Lガソリンハイブリッドと圧巻のラインナップです。
ガソリン・ディーゼル・ハイブリッドの3つのパワートレインを同一車種内でラインナップするのは、国内販売の乗用車としてはアクセラが初だそうです。

試乗モデルは1.5LガソリンのP5-VPSエンジンを搭載した15C。
ロードスター(ND5RC)に搭載されているP5-VPR[RS]エンジンは、このエンジンをチューンナップし縦置きハイオク仕様にしたもの。
アクセラに搭載されているP5エンジンはもとより、マツダの4気筒エンジンはよく回るし音も良いしで、ついついアクセルを踏み込む足に力が入ってしまいます。

エンジン自体のスペックは可もなく不可もなく。
直噴エンジン特有のチリチリとしたアイドリング音がします。
おそらく同じトランスミッションを搭載しているデミオ(DJ3FS)比で、変速時のショックが軽減されているように感じました。
たまに生じるゼロ発進時のギクシャク感と、普通に加速しているだけなのに3,000rpm辺りまで引っ張ろうとする変速プログラムがやや気になりました。
アクセル開度に対する変速プログラムの味付けが結構シビアな気がします。
Gベクタリングコントロールが私の操作と上手くマッチングできていなかったのでしょうか。
上手に加速できれば60km/hで6速まで入ります。
マニュアルモードのダイレクト感は折り紙付き。この辺りの制御は国産ステップATを搭載するメーカーの中でマツダが一番上手です。
足回りは柔らかめ。ハッチバックボディのスポーツはやはりスポーツと名がつくだけにセダンとは違うセッティングになっているのでしょうか。
突き上げ感とは無縁のゆったりとしたサスペンションセッティングでラグジュアリー感すらあるほど。
ボディ剛性の高さを車がドライバーに伝えてくるデミオとは対極のキャラクターですが、いざペースを上げてワインディングを走ると、しっかりとタイヤが接地しているのが伝わってきます。
コーナーリング中に路面のアンジュレーションを拾っても挙動が乱れることはなく、よく動きよくしなるショックアブソーバーであることが分かります。

キビキビ走れるカローラという言葉が当てはまるかもしれません。
ロール剛性や直進安定性は今ひとつ。
高速道路の追い越し車線のペースではふわふわしすぎていてやや恐怖感がありました。
ボディサイズを考えるともう少しドシッと構えてくれても良いところ。



















廉価グレードでありながらタイヤサイズも大きく、足回りに余裕がありそうなだけに残念。
内装の質感は170万円代から購入できる車としてはかなり上質で好印象です。
ワンポイントでシルバー加飾がされておりシックな印象を受けます。
ウエストラインが高めに設定されていることと、シートポジションが低めなことも相まって程よい包み込まれ感が良いです。
1.8m近い全幅のお陰か、横方向の室内空間が広く、運転席と助手席の間隔が広めに取られているのも嬉しいところ。



















ステアリングやシートの調整範囲が広く、身体の大きな人に定評のあるマツダ車。
私自身、身長167cmと小柄な部類ですが、最適なドライビングポジションを取ることができました。
シートのサイドサポートが見た目以上にしっかりしていて、ホールド性が高い点も高評価です。



















賛否両論あるマツダコネクトですが、BMWのiDriveやメルセデスベンツのコマンドシステム、アウディのMMIと比べると操作性に難ありなのは否めません。
徹底的に使い込んだわけではないので、なにがどう悪いといった具体的な指摘はできませんが、第一印象で使いづらいと思ったのは、「階層表現がなんか分かりにくい」点と「文字入力がとんでもなく使いづらい」点です。
せっかくコマンダーコントロールが付いているのに、その動作性がイマイチでむしろただのタッチパネルで良いんじゃないかと思ってしまうほど。
またナビの画面が見づらく地図代わりに使うのも億劫でした。
唯一ワイドFMが受信できるのは良かったです。
ボディサイズや質感を考慮すると176万円~という価格設定はかなりお得?
1クラス下に位置するデミオにあれやこれやとつけているとあっという間にアクセラの価格を追い越してしまうのだとか。
1.5Lエンジンは魅力的ですし、ボディの大きささえ気にならなければデミオではなくアクセラという選択肢もありかもしれません。
ただデミオの購入を検討している層からするとボディの大きさが一番ネックとなりうる気もします。
なによりデミオもマイナーチェンジで1.5Lエンジンになるとかならないとか…。


試乗車データ
マツダ・アクセラ15C(DBA-BM5FP)
ボディサイズ:全長*全幅*全高=4,580*1,795*1,455mm
ホイールベース:2,700mm
車両重量:1,270kg
車両総重量:1,545kg
駆動方式:2WD(FF)
エンジン型式:P5-VPS型
エンジン種類:水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量:1,496cc
トランスミッション:6EC-AT
最高出力:111ps/6,000rpm
最大トルク:14.7kgm/3,500rpm
圧縮比:13.0
燃料タンク容量:51L
タイヤ:205/60R16 92V(BS・トランザER33)
サスペンション:マクファーソンストラット/マルチリンク
ブレーキ:ベンチレーテッドディスク/ディスク
JC08モード燃費:20.6km/l
最小回転半径:5.3m
価格:\1,760,400-(新車当時)

年式:平成28年12月登録
出発時ODO:45,404km
道路比率:市街地2、郊外4、高速2、山岳路2
走行距離:563.7km
使用燃料:33.57L(無鉛レギュラーガソリン)
燃費:16.79km/l(満タン法)、15.9km/l(車載燃費計)

レンタル料:\20,860-(免責補償料込)
燃料費:\5,039-
高速代:\2,280-

参考文献
axela_specification_201804.pdf
アクセラ 15C(2016年7月) のカタログ情報(10105063)|中古車の情報なら【グーネット】
マツダ・アクセラ - Wikipedia
マツダ・SKYACTIV-G - Wikipedia

ジャッキはトランクルーム右側



















トランクルームカーペット下車載工具





































トランクルーム内にあるノブを引いてロックを解除することでリアシートは分割可倒





































リアシートは膝周り頭上共にこぶし1つ









































































グローブボックス内のアクセサリーソケットは充実



















あると便利!サングラス入れ



















満タンから563km走行後のガソリン残量



















満タン給油時の航続可能距離



















燃費モニターはマツコネ内蔵




















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